2012年12月に完成した綴織「蓮華弥勒像」(製織/川島織物)の初公開を記念して刊行された図録「ミロク、甦る。―織物となった古代オリエントの〈魂〉」(発行/MIHO MUSEUM、編集制作/写像工房)が好評発売中です。
美術工芸織物の歴史的大作ともいえる綴織「蓮華弥勒像」は、“綴織の伝承”というテーマのもとに、法隆寺金堂の壁画にある半跏思惟像をモチーフとして愛知県立芸術大学美術学部が下絵を制作し、約3年半の歳月をかけて完成に至りました。
下絵制作にCG技術も駆使して剥落した箇所を補正し、破損のあったお顔などには新たな表現を加える一方、壁面や画像の経年変化を〈時〉の表現として再現。最終的に、6000色もの色糸を使い、職人の手わざによって神々しいまでの弥勒像が織り上げられました。
この図録では、この綴織が完成するまでを記録するとともに、宗教、美術、染織など斯界の第一人者に寄稿いただき、古代オリエントからユーラシアに広がる“ミロク信仰”の息吹までをも紹介しています。
MIHO MUSEUMにて、綴織「蓮華弥勒像」が下記の日程で特別展覧されます。
2013年11月19日(火)~12月1日(日)